本気の恋をしようじゃないか《加筆修正版》
電車を降りてバス停に向うのだが、これからどこに行くのか私は知らない。
「ねえ、これからどこに行くの?」
持ち込みOKなカラオケかどこかに行くのかと思ったのだが告げられた場所に驚く。
「俺の家」
小牧君の家だった。
「え?」
驚く私に小牧君は何でびっくりするの?と言う目で見た。
「え?だって小牧君の家って…その家族とか」
心の準備など全くなかった。
私の鼓動は緊張でどうにかなりそうだった。
「大丈夫だよ。今日親いないんだ」
「え?」
親がいないって…今日はクリスマスイブだよ。
普通なら家でお祝いとかするんじゃない?
そう思うのだが・・・・小牧家は違ってた。
「俺んとこはさ、毎年クリスマスになるとなぜかじいちゃん家に親戚が集まってドンチャン騒ぎするんだ」
それってお正月?と思うのだが、どうも小牧家は酒豪ぞろいで何かイベントと名のつくものがあると
おじいちゃん家で大宴会をやるらしい。
「じゃあ・・・小牧君も本当はおじいちゃんのとこに行かなきゃいけなかったんじゃーー」
私のせい?と思ったのだが小牧君は鼻筋に皺を寄せ、首を横に振った。
「あ~~いい!ぜんぜんいい。俺、高校生になってから行ってないから・・・ それに酒癖悪いのがたくさんいて行きたくないんだよ」
本当に嫌そうに言うのだから相当凄いのだと思った。
「でも本当にお邪魔していいの?」
それでも不安で尋ねると小牧君はフッと笑った。
「大丈夫だよ。あの人たち多分26日位まで帰ってこないから安心して。だから行こう!」
小牧くんの両親がいない時にお邪魔するのは気がひけるように思えたが、両手の荷物をみたらそうするしかないのだと納得し私たちは小牧君の家へと向かった。
< 41 / 124 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop