本気の恋をしようじゃないか《加筆修正版》
私の話を黙って聞いてた美和は急に手を差し出した。
「何?」
「スマホ貸して」
なんでこんな時にスマホなのかわからず首をかしげる。
「なんかさ、腑に落ちないのよね。話は途中だから、今は何とも言えないけど……小牧君と杏奈は何となく大きな間違いをしている様に思えるのよ」
そんな事はないと断言したいがこころのどこかでもしかしたら・・・と言う思いも微かだが感じた。
さっき会った時の小牧君の言葉

『俺は高校時代に杏奈にこっぴどく振られたんだよ。すっげー好きだったのに・・』


振られたのは私なのにあの言葉がさっきからずっと頭から離れられないでいた。
実際面と向って振られた事も振った事もなかった。よくある自然消滅だ

美和は私のスマホを奪うようにとりあげると美和の彼の浅野さんにそれを渡した。
「航(こう)ちゃん・・・お願いがあるの。」
「何?」
「小牧君と話してくれない?電話番号入っているはずだから」
「ちょっと!いいって浅野さん。もう、終わった事だから。それに会うつもりないし…話しなんてーー」
しなくていいと、言おうとしたがなぜか言えなかった。
美和は私の手を握った。
「そんな泣きそうな顔しても説得力ないよ。それにその恋愛、まだ完結してないじゃん。
 このままだとこの先もいい恋愛出来ないんじゃない?」

完結・・・してない?

確かに私達はお互い話あって別れた訳じゃない・・・

「杏奈ちゃん。一旦俺に任せて」
浅野さんは私のスマホを持って別室へと移動した。
2人きりになった私は美和に促される様に正月での出来事を話し始めた。 
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