本気の恋をしようじゃないか《加筆修正版》
「いっ・・・いったーい!」
何かが目の近くに当たって私はその場でうずくまった。
突然のことで何が起こったのか自分でも全く分からなかった。
「おい!どうした?!香坂おい!!」
「目が……目が痛い」
「目?目がどうした?!」
「何かが当たって・・・それで」
うずくまって両手で目を隠してした私の手を先生が優しく両手で離すと、心配そうな顔で覗き込んだ。
「……ここか……少し腫れてるな」
下に目を向けるとそこにオレンジ色の玉が転がっていた。
「BB弾かよ!……香坂ちょっと待ってろよ」
先生は立ち上がると公園でエアガンを撃っている子供たちの元へ。
しばらくすると遠くの方でごめんなさいと言う声が聞こえた。
「香坂立てるか?」
走って戻ってきた先生が私の肩を抱いた。
「はい」
ゆっくりと支えられるように立ち上がったと思ったら急に体が浮いた。
「きゃっ!」
何が起こったのかと薄眼を開けると何と、私は先生にお姫様だっこされていた。

「ちょ、ちょと先生!いいです歩けます。ってか何処行くんですか?」
先生は私をお姫様だっこしたまま歩き出した。
「病院に決まってんだろうが!」
「病院?でも私小牧君と待ち合わせを……」
小牧君の事が気になって仕方がなかった。
だが先生は
「待ち合わせとか言ってる場合か?!自分の目と小牧、どっちが大事か高校生なら言わなくてもわかるよな!」
「わかるけど…でも」
確かに目は大事だけどせめて連絡ができれば…
「おい、こんな時にまだ悩んでんのか?小牧だってお前の目を優先するに決まってるだろ!それでわからないようならあいつはそれだけの男だ!」
人もまばらな神社だがイケメンに(先生だけど)お姫様だっこされて目立たないわけがなかった。
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