本気の恋をしようじゃないか《加筆修正版》
はい?何いってんの?彼氏は俺だけど……なんて言えないから城田の話を黙って聞いていた。
「それでね、そのイケメンがね、香坂さんの両手を掴んで・・・キスしてたの。遠くからだったんだけどあれは絶対キスしてた!それで?そのイケメンにお姫様だっこされてどこかに行ったの。もう~びっくり」
城田が何を言っているのかわからなかった。
冗談にしては度が過ぎる。
俺は知らん顔をしてその場から去ろうと思い踵を返したが城田がそれを止めた。
「あのさ?私、知ってんだ。クリスマスに小牧君の家から香坂さんが出てきて仲良さそうに手を繋いであるいているとこ・・・」
城田は口角を上げニヤリと気味の悪い笑みを浮かべていた。
まさかあの日、一緒にいた所を見られていたなんて気がつかなかった。
「私らとのクリスマスパーティー断って何してるかと思ったら香坂さんと一晩中イチャイチャしてたんでしょ~。もうびっくりしちゃった。でも香坂さんて地味な顔してるくせにやるよね~~
クリスマスは小牧君で正月はイケメン?意外と他にもいたりしてフフ」
そんなはずない。
杏奈には俺しかいないはず。

俺はもう一度携帯を取り出し杏奈にかける

だが、杏奈が電話に出ることはなかった。
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