本気の恋をしようじゃないか《加筆修正版》
HRが終わり帰り支度をしながら俺はそわそわしていた。
どのタイミングでどうやって話を切り出そうか。
目があったら杏奈にアイコンタクトで2人だけのあの場所で待ってる
と合図をしようと思い席を立ったのだがその計画はつっちーの声で台無しになった。

つっちーに呼ばれた杏奈が教室を出た。

何なんだ?
今日始業式だろ?
特に杏奈に何か頼むことなんかないはずだろ?
何となく嫌な予感がした。
元々、あの二人は怪しいと言う噂はちらほらあった。
俺の足は勝手に動き出し杏奈を追う様に教室を出た。

連絡通路で2人が話をしている。
俺は死角になる場所に隠れ2人を見ていた。
話の内容はわからない。
ただ2人が授業に関する内容の話をしている様には見えなかった。
それは2人の表情ですぐわかった。

一体何の話をしているんだ?
変な胸騒ぎがする。
つっちーが杏奈に向けるその表情は教師としての顔ではない様に思えたからだ。
そして杏奈の表情にえ?と思った。
見憶えがあったからだ。

あの日俺の知らない男に向けた笑顔と同じだった。
そして俺は自分の目を疑う様な光景をみた。
それは杏奈の髪の毛をくしゅくしゅと撫でるつっちーだった。
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