本気の恋をしようじゃないか《加筆修正版》
「ん…ん……んんっ」
小牧君の舌と私の舌が吸いつく様に絡み合う。
男の人とのキスなんて何年振りだろう。
しかもこんな濃厚なキスなんて初めて…っていうか、なんで私が一番キスしたくない人としてるのよ。
我に返った私は思い切り小牧君の胸を押し、突き放した。
「はっ…はっ…なんで…なんでこんな事するんですか!」
小牧君は口元を手の甲で拭うとフッと笑った。
「さっきも言ったろ?会いたかったって…杏奈の唇見たらキスしたくなっただけ」
悪気などこれっぽっちも感じさせない。
「よく言うわよ。さっきから美和とばっかり喋ってたじゃない」
「それってやきもち?」
口角を上げて顔をグイッと私の目の前まで近づけてきた。
「や、やきもちじゃありません。」
視線を逸らしながら下唇を噛む私に小牧君は手を差し出してきた。
「なに?」
「スマホ貸せよ…」
「はい?」
「だからスマホ貸せっていってんの」
「だから何でよ」
「つべこべ言ってないで出せよ。もし出さなかったら・・・」
「出さなかったら?」
「お前のお友達に俺達の関係を話す」
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