本気の恋をしようじゃないか《加筆修正版》
小牧君は時が止まったように私を見つめていた。
もしかして嬉しくなかったかな?
「小牧君?」
「あ~~~!なんだよそれ。かわいすぎ。そんなこと言ったら俺何するかわかんないよ」
小牧君が私をぎゅっと抱きしめた。
触れた部分がとても熱くなる。ドキドキと爆発しそうな心臓の音、聞こえているはず。
小牧君の身体は10年の間にすごくたくましくなっていて、男の人だった。
「小牧君だったら何されてもいいよ」
自分でも驚くほど大胆なことを口にしていた。
「あ、杏奈?」
「な、何?」
やっぱり引いちゃう?
「どこでそんな言葉覚えたんだ?まさか俺以外の男にも同じようなことーー」
「言ってないよ。だってどんな恋愛もうまくいかなかったしどれも恋愛と呼べるものじゃなかった。
私が恋愛したって胸張って言えるのは小牧君とだけ」
すると小牧君の手が私の髪の触れ、その手が私の顎を捉えた。
「わかったよ。じゃあ……その言葉一生言ってもらえるようにしてあげる」
ゆっくりと小牧君の顔が近く。
鳴り止まない激しい鼓動。だけどそれ以上に幸せを感じている。
私たちは気持ちを誓い合うように唇を重ねた。
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