本気の恋をしようじゃないか《加筆修正版》
幸せ故の不安
翌日、私と小牧くんは昨日迷惑をかけた美和と浅野さんに報告をするため2人の住むにマンションに行った。
「あら~お二人でなにかご報告でもあるの?」
待ってましたとばかりに美和は私たちを招き入れた。
リビングにいた浅野さんは、小牧くんと一緒にいる私を見て「杏奈ちゃんよかったね」と喜んでくれた。
「昨日は本当にありがとうございました。
 二人がいなかったら多分、私は一生小牧くんのことを誤解したままだったと思う。」
話がおわらないうちに美和が私を抱きしめた。
「杏奈よかったね」
「美和ありがとう」
その横で小牧くんが姿勢を正し、頭を下げた。
「ご挨拶が遅れましたが小牧恵一といいます。俺もお二人がいなかったら杏奈とやり直すことが出来なかったと思います。本当にありがとうございました。」

「小牧くん頭あげてくださいよ。」
浅野さんに言われて小牧くんが頭を上げると浅野さんが私たちにソファーに座るように促した。
美和は嬉しそうにコーヒー入れてくると言ってキッチンに入った。
私もなにか手伝いたくて立ち上がろうとするが浅野さんが私を引き止めた。
「僕と美和はそんなにすごい手伝いをしたとは思っていないよ。背中をポンと押しただけ」
でもそれがなかったらこの先もずっと真実を知らずに引きずったままの人生を送ったと思う。
そう思うとやっぱり感謝せずにはいられなかった。
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