紅い記憶と廻る時
夢なのに痛い!?もしかして夢じゃないのか?!いや、そんなわけない!!
頭が混乱してきた。
何なんだ?!
ザッ、ザッ
草を踏むような、重い足音が聞こえてきた。
やった!人だ!助けてもらえるかもしれない……
少し顔を上げると、鎧を着た大柄な男性がいた。顔の半分に包帯を巻いていて、どんな顔なのかはわからない。
「……?」
様子がおかしい。拳を固く握り締めたまま、突っ立ってる。
やがて、決心したように腰に付けた刀をスラリと抜くと、勢い良く僕の首に向けてきた。
「ごめんな」
え?
ズバッ
鈍い音がして、一瞬で目の前が真っ赤になった。
僕は、この男に殺されたようだ。