紅い記憶と廻る時

怪しいクラスメイト







鏡宮(かがみや)中学校、一年七組。


「伊ヶ崎 颯人(いがさき はやと)です。よろしく」


黒板に自分の名前を書いて自己紹介した。


「やばー、イケメンじゃん!」
「おい誰だよ転校生女子だってデマ流したの!」
「伊ヶ崎くんよろしくー」
「どっから来たの?」


教室がざわざわと煩くなった。
参ったな……、僕はあまり大勢から騒がれるのは苦手な方なんだけど……

 ん?

興味津々な視線が僕に集まる中、明らかに他とは違う表情をしてる顔があった。

真ん中の列の一番後ろの身長稼ぎっぽいハーフアップのチビな女子と、
向かってその左隣の短髪のはねっ毛でキリッとした目の男子。
それからその前の席の大人しそうなカチューシャの女子と、
その右の席の長い前髪で目が隠れた大人しそうな男子。

その四人だけ、青ざめた表情をしていた。

体調が悪いのか?それとも僕を恐れてる?……まさかね。

僕はここにいる全員と初対面なんだ。

何も知らないで恐れるのはおかしい。
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