結婚しても恋愛中だもん
「ただいま。」
勇くん。やっぱり私に飽きたんだ。
子供を産んですっかり、
おばさんだもんね。それに比べて、
サツキさんは、独身、バリバリ仕事して
今時のキャリアウーマン。

輝いてる人に勝てるわけ無い。

簡単にシャワーを浴び、
家事をして、そのまま眠ってた。
カチャ…。ドアが開く音…?
疲れてた…。心も身体も。
ふと意識が…。


「あや?あれ?居ない。部屋の灯りは
付いてる。二階上がり寝室を覗く?
居ない。あやめの部屋へ。
あや…。あやめの枕を握りしめ
眠っていた。」
俺は、彩の髪を撫でた。
ピクッと身体が動き、瞼が開く。

「彩?寝てたのか?」
無言で俺の手を払う。
「なんだよ!うん??」
「私に構わなくていいよ…。」
「何言ってんの…。」抱きしめようとしたら、「触らないで!出てって!」
おかしい。彩?どうした??

「わかった。」ドアを閉めて出ていった
止まらない涙。声を殺して泣いた。
泣き疲れて眠っていた私。

勇くんの香り…。落ち着く…。好きなのに、私だけ?あの頃と少しも変わらず
あなたしか見えないのに…。



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