君と春を



美月の決心が如何ほどか、訴えるように俺の腕を掴む手からも伝わってくる。

覚悟を決めて、心からの愛を捧げたら、美月は怖がらずに俺を受け入れられるだろうか。

…いや、必ず幸せに抱いてやる。

瑞々しく俺を誘う唇。

労わるように親指でなぞるとピクリと薄くひらき、俺を受け入れようと震える。

まるで引き込まれるようにそこにゆるりと舌をさしこみ、深く、濃く、ゆっくりと……静かに攻め立てるように愛す。

「……はぁ……っ。慎汰さ……ん。」

時間をかけて口づけていると、美月の口から俺の名前が零れた。

その声は切なく苦しく、魅惑的に俺の心を捉える。

「………そんな声出してそんな顔したら…もう俺、止まらないよ?」

白い首筋を唇で撫で上げ、シャツのボタンを外して胸元を開く。

ワザと音を立てるように鎖骨に口づけると美月が息をのむのが伝わった。

「んっ……。慎汰さ……」

「怖い?」

ふるふると頭を振って否定する美月。その顔は恥ずかしそうに紅く染まる。

「いえ、幸せ……です。」

「そっか。……そうだな。さっき美味しい料理食べさせてもらったから今度は俺が……美月を美味しくしてあげるよ。

美味しく食べてあげる。

だから美月を……全部貰うよ。

寝室はどこ?」

「……………」

肌を赤く染めて俺を見上げる美月。その姿があまりに可愛くて愛しい。

「…あっ!」

倒していた身体を抱き起こし、俺の膝に跨るように向かい合って座らせる。

「……美月?言わなきゃここで食べちゃう。」

そう言いながら開いた胸元にキスを落とし、太ももに手を這わせる。

「…あ…の!、そこのドア……んっ!」

その答えを聞くや否や口を塞ぎながら抱き上げると、俺は込み上げる愛しさとともに彼女をベッドへ連れ去った。



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