君と春を
……いつもよりベッドが狭い。
胸に感じる温もりは……手?
「……っ!きゃぁ!」
「……美月、おはよ。」
気づくと後ろから腕をまわして胸を包むように抱きしめられていた。
「おっ、おはようございます…」
恥ずかしくてそろりと逃げようとするけれどガッチリとホールドされて動けない。
「…あの、コーヒー…飲みませんか?
私入れます…」
「んー、もうちょっとこのままがいいな。美月の身体、柔らかいしスベスベだしあったかいしいい匂いするし、まだ離したくない。」
そう言いながら慎汰さんの手は私のくびれを撫ではじめ、唇が髪をかき分けて首筋にキスをする。
「んっ……。くすぐったい…やっ!」
………甘噛みされてしまった。
「だから…そういう声出すなって。」
「だって慎汰さんがそんな…っ!」
「…怖く、なかった?」
心配するように切ない声。
「……いえ、ちゃんと愛されて幸せでした。」
その途端がばりと覆い被さられ、言葉も飲み込んでしまうキスで口を封じられる。
「んっ………。は…ぁっ。」
頭が真っ白になりそう……
「…っと。これ以上はマズイな。シャワー、借りていい?」
突然離れる熱に少し寂しさを覚えつつ、シャワーに向かう彼にタオルを渡してコーヒーと朝食の用意のために私もベッドを出た。