君と春を



突然黙り込み、視線が合わなくなった美月。

「…美月?」

呼んでも反応がない。

なんだ?どうして急に…!

「美月、美月……美月!」

何度目かの呼びかけに反応を示した美月の瞳に徐々に俺が映る。

家族を思い罪悪感で苦しいと泣く彼女はきっと優しすぎるんだ。

俺はその気持ちを肯定も否定もせずにただ受け止めた。

優しい美月の苦しさを思えば、簡単に『お前が家族の分も幸せに』なんて言えなかった。



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