君と春を
茉莉。
ドレスアップ
『恋人』になって2ヶ月が経った。
今では週末は彼女がうちに来て食事を作り、休日を一緒に過ごすのが定番になっている。
金曜日の今日も来ている。
会議で遅くなってしまった俺より先に帰宅して、俺がリクエストした和食を作って待っている。
美月の料理が美味しくて外食が億劫になったと言ったら嬉しそうに笑っていた。
「一緒に暮らそうか。」
そう言ったのは数日前。付き合いは浅いけれど十分すぎるほどお互いを必要としてることは明白な事実だった。
でも美月の答えはNO。
「慎汰さんと一緒にいるって決めたから、守ってもらうばかりじゃなくて自分の足で立てる女になりたい。
あなたの隣に並んで立っていて胸を張れる女になりたい。
その自信が持てるまで待っていて欲しい。」
そう言われた。
彼女の思いは嬉しい。
でも俺はやっぱり、美月をいつでも手の届くところに置いておきたい。
一生俺のものにしたい………
そんな考え事をしながら先に美月が帰っているマンションへと急いだ。