君と春を



パーティの翌日美月をマンションに送り、自宅へ戻る。寂しそうに笑う彼女を離したくなかったけど、何か思うところがあるのだろう。

…………気持ちが沈んでいなければいいけれど。

心配は尽きない。

「そういえば……」

スーツの名刺入れからあの女の名刺を出す。

「渡会茉莉…。和光の関東経営統括部長の秘書…か。」

明らかに動揺していた美月。……百合先生に聞いてみようか。



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