君と春を
「冬瀬さん。」
それはお世話になっているお寺のご住職だった。
「これがちょうど届いてね。」
そう言って差し出したのは一通の封筒。宛名はこのお寺留め、檀家冬瀬美月様とプリンタで印字されている。裏には…
「みらいゆうびん…?」
聞いたこともない団体名だ。
「誰かねぇ。しかも檀家さん宛に寺に届くなんて。
君がもうこの街に住んでいないと知っている人かもしれないねぇ。」
住職さんも首を傾げる。
とりあえず不思議に思いながらも受け取り、帰路についた。