君と春を



「美月、お父さんがお前を守る。」

……そうだ。お父さんはそう言って、学校や茉莉の両親にも助けを請うために頭を下げてくれた。

「美月、大丈夫。負けないで、いつも笑っているのよ。」

……お母さん。笑顔でさえいればいつかは全て報われるからと励ましてくれた。

「みつき!これ食べてよ!」

……斗真。小さな斗真。一生懸命慣れない手つきでクッキーを作ってくれた。


優しくてあったかくて大好きな、


私の宝物だったのに。



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