君と春を



「ね、これ似合うよ!美月にはこういうのがいいと思う!」


「……よかった。やっと起きたんだね。心配したんだから!」


「美月なんか起きなきゃよかったのに!」


「やっぱりあの時、ずっと眠ったまま死ねばよかったんだよ!」


………茉莉………

私は…茉莉のことも、不幸にしていたんだ。

「あんたが幸せになるなんてあり得ないんだから!」


そう。


茉莉は正しい。


私には、幸せになる資格なんてない。



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