君と春を



真っ暗闇。全て、全て真っ黒だ。


………もう、起きたくない。


力の入らない汚れた身体。


こんな私を、誰が必要とする?


涙さえ、枯れてしまった。



「………美月。」



ビクリと心臓が跳ねる。


………っ!


抱きしめられる感触。この匂いは…


「優也。…私を迎えに来たんだね。」



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