君と春を
喧嘩の一件以来、私は優也を避けるようになっていた。
優也のことをいきなり嫌いにはなれなかったし側にいたかったけど、二人で会うのが怖かった。
登校時間も下校時間もずらし、できるだ会わないように、休み時間はトイレや更衣室に篭るようになっていた。
廊下ですれ違っても顔を見ることすらしないで避けた。
優也が何か言いたそうなのは痛いほど感じていたけど、徹底的に気づかないふりをした。
少しでも話をしたら絶対優也のペースに持って行かれてしまうとわかっていたから。
そして………、
『好き』という気持ちは少しずつ、『怖い』に変わっていくことになる。