君と春を
「………幸せそうな顔しちゃって。
あーあ、私も疲れた。一旦家帰って寝るわ。
美月は?眠れそう?」
「あ……どうだろう。眠くなったら寝るから。
心配しなくて大丈夫ですよ。
百合先生は休んでください。
……というか、明日百合先生もお休みでしょ?
私はもう大丈夫だからちゃんと…」
「美月、…先に言っとくけど…。」
真剣な顔で向き直る百合先生は重々しそうに事実を告げる。
「 あなたの身体はかなり機能が落ちてるわ。
今日目が覚めなかったら明日、延命しうる治療を辞める予定だった。
………意味、分かるわね。」
「……はい。
私が……望んだことでしたね。」
「そ。すぐにリハビリプランが必要。
……ま、あとは明日話すわ。
今日はおしまい。
またね、美月。」
『心をゆっくり休めなさい』そう言って百合先生はヒラヒラと手を振って帰っていった。