君と春を
数日後、漸く家族を火葬することができるようになり、動かない頭と身体を引きずり、火葬場へ向かう。
立ち上る煙は家族を失った証だ。
……優也が殺した……
どうして私じゃなかったのか……
私を殺してくれれば良かったのに。
………そうだ。
死ぬのが私だったなら………。
ううん。もっと前。
私が優也のことを我慢して受け入れていたら………
家族は…。
みんな私のことに巻き込まれて死んだんだ。
私のせいで死んだんだ。
私が……………殺したんだ……
「…………っ!!!!
お父さん!!!
お母さん!!!
斗真!!!
ごめんなさい…ごめんな…さ…」
耐えきれず、叫ぶ。
それしか出来ない。
この罪悪感をどうしたらいいかわからない。
もうどれだけ泣いたかもわからない。
「優也……どうして私じゃ…」
ふと、茉莉が肩を抱いてくれる。
「美月……。
悪いのは美月じゃないよ。
美月…、私が側にいるから……」
そう言って一緒に泣いてくれる茉莉。
私は茉莉まで、巻き込んでしまっている。
ごめん、ごめんね。茉莉。
粉々に砕けた私のこころは………
風に吹かれる花びらのように、
何処かへ行ってしまっていた。
もう何も、残っていなかった。