君と春を



未成年がストーカーの末その家族を殺したというニュースが広がるのに時間はかからなかった。

マスコミから逃れるためにも寮に戻った私は生徒たちの格好の話題で、視線やギクシャクとした態度が苦痛で仕方なかった。

何をする気もなく、体調も不安定でほとんどの時間を保健室で寝て過ごした。

カーテンの向こう。

また…私の話をしている生徒たちがいる。

「ストーカーの末に殺人だって。」

「こわっ!でもさ、あの子が浮気性だったから彼が壊れちゃったんでしょ?」

「他の男と関係持ってるくせに彼のこと離してくれなかったって。」

「サイテーだね。なんでそんな女相手にしたんだろ。」

「ねー。」

「あんな大人しそうな顔してね。あの子が死ねばよかったんじゃないの?」


…………!!!

思わず、カーテンを勢い良く開けた。

彼女たちの顔が一瞬で強張る。

「…そんなの……そんなの私が一番よくわかってる!!!

私が死ねば誰も苦しまなかったことくらい私が………」


そこまで叫んで記憶が途切れた。




その後目が覚めたのは2週間後。




主治医の百合先生とはそれからの付き合いだ。



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