君と春を
ふらつきながらも何とか帰り着き、ソファに座り込む。
誰もいない、耳鳴りがするほどの静寂。
動くことを拒否するようにだらりと力が抜けた身体を手放すように目を閉じると、耳元で聞こえるはずのない声が響いた。
みつき!
あついよ!たすけて!
みつき…!
心が沈んでいく。
あの頃にはもう戻れない。
私があいつのものになっていたなら、
私を殺してと言っていたなら、
みんなは死ななくて済んだだろうか。