君と春を
だから決めた。もう遠慮はしない。
それで少しずつでも、俺を向いてくれればいい。
時間はどれだけかかっても構わない。
彼女がどんなに苦しい過去を持っていてもいつかきっとそこから引きずり上げてやる。
……いつからこんなに彼女が欲しくなったのだろう。
もしかしたら最初に出会った時にすでにあの瞳に魅入られていたのかもしれない。
彼女が苦しみを抱えると知った今、それを取り払う男は自分でありたいと心から願う。
寂しそうに悲しそうに外を眺める瞳を明るく光らせたいと願う。
……ってか、他のヤツには絶対やらない。
初めて本気で惚れた女だ。
大事に
大事に
心から大切にするんだ。