ヒカリ
anniversary
私たちの三年目の結婚記念日は、朝から春の雨が降っていた。
正人さんは、結婚記念日と私の誕生日だけは、どんなに仕事が忙しくても必ず一緒にお祝いをしてくれた。
今年もいつものイタリアンのお店で待ち合わせをした。
ボルドーのワインを二人であけて、ささやかなお祝いをする。
店内に緩やかに流れるジャズを聞きながら、私は前菜のカルパッチョやブルスケッタを口に運ぶ。
牡蠣とちぢみほうれん草のパスタを食べた時、ふいに思った。
あぁ、泉水にも食べさせたいな。
「どうしたの?」
フォークを置いた私を正人さんが心配そうに見つめる。
「恵玲奈、牡蠣、苦手だった?」
ううん、と軽く首を横に振って、私はフォークを持ち直した。
こんなことを思うのは間違ってる。
こんなの、正人さんに対する冒涜以外のなにものでもない。
正人さんは、結婚記念日と私の誕生日だけは、どんなに仕事が忙しくても必ず一緒にお祝いをしてくれた。
今年もいつものイタリアンのお店で待ち合わせをした。
ボルドーのワインを二人であけて、ささやかなお祝いをする。
店内に緩やかに流れるジャズを聞きながら、私は前菜のカルパッチョやブルスケッタを口に運ぶ。
牡蠣とちぢみほうれん草のパスタを食べた時、ふいに思った。
あぁ、泉水にも食べさせたいな。
「どうしたの?」
フォークを置いた私を正人さんが心配そうに見つめる。
「恵玲奈、牡蠣、苦手だった?」
ううん、と軽く首を横に振って、私はフォークを持ち直した。
こんなことを思うのは間違ってる。
こんなの、正人さんに対する冒涜以外のなにものでもない。