ヒカリ
「恵玲奈ちゃん、もしかして離婚したの?」

「どうして?」

「だって、倉橋って名前じゃなかったよね。滝沢とかそんな名前じゃなかったっけ?」

滝井、だけど。
でも、私は訂正しなかった。

「したよ、離婚。」

陶子ちゃんは、まじ?と目を丸くする。

「泉水は、それ知ってるの?知ってるわけないか。」

陶子ちゃんは、そう言って苦笑する。


「今、どこに住んでるの?実家?」

「ううん。近くのアパートで一人暮らし…じゃなくて犬と二人暮らし。」


古くて小さいアパートだけど、ペット飼育可だから助かる。
私にとって、チャーリーはペットじゃないけど、やっぱりチャーリーは犬だから。


「泉水とは…もう会わないつもり?」

陶子ちゃんは、なぜかものすごく寂しい声を出す。


「陶子ちゃんはどうしてそんなに私と泉水のことを気にするの?」


単純に疑問だった。
どうしてこの子は何度も私に会いにくるのだろう。


「だって、泉水も恵玲奈ちゃんも、私の友だちなんだもん。」


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