ヒカリ

hikari

前回と同じライヴハウスの前で、私は陶子ちゃんと待ち合わせをした。


陶子ちゃんは、タンクトップにデニムのショートパンツという格好で、見るからにもうわくわくとしている様子だった。

「最近、オーガスタス、モンゴリアンのコピーもしてるんだよ。」

中に入ると、陶子ちゃんは慣れた様子でビールを受け取り、私にはい、と差し出した。

ライヴハウスの中は、もうすでに満員状態で暑かった。

知り合いらしい男の子と陶子ちゃんが話しているすきに、私は柱のかげに隠れた。

ここなら、ステージからは見えないだろう。


「オーガスタスです、よろしく!」


輝真くんの声が聞こえた。
透明のコップを持つ手が震える。


演奏が始まって、照明がステージに当たっているのを確認してから、私はそっと柱から顔を出した。



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