ヒカリ
「ねぇ、ライヴは大丈夫かな?」

泉水の胸の中でふいに思い出して聞いてみる。

「あ、そうだ。」

泉水はデニムパンツの後ろポケットから取り出したスマホを見て笑い出す。

「大丈夫みたい。俺たち見て、ある意味すげー盛り上がったって。」

「…恥ずかしいね。」

「なにが?ぜーんぜん。」

泉水はそう言っておかしそうに笑う。




「恵玲奈、チャーリーは元気?」


泉水が送ってくれる、と言うので、二人で手を繋いで歩き出した。


「離婚、したって、陶子に聞いたけど。」

「うん。チャーリーは私が引き取ったの。元気だよ。」

「チャーリーに会いたいな。」

「いいよ。チャーリーも喜ぶから。」


私がアパートの鍵を回すと、チャーリーが駆け寄ってきた
私の後ろから泉水が、よ、と顔を出すと、チャーリーはふがふがと言いながら、泉水に飛びかかる。



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