ヒカリ
win-win
泉水の姿勢が変わったせいか、チャーリーが一瞬目を開けた。
腰を少しだけ上げて移動すると、またぺたりと泉水に寄り添った。
あんたの飼い犬は私だよ。
「ごめん、聞いてもいい?」
泉水が聞いた。
「いいよ。なに?」
「どこで知り合ったの?そんな年上の人と。」
「ああ。旦那さんね、救命医療センターで働いてるの。ほらあるでしょ?市役所の近くに。私、19歳の時、駅で過呼吸になって運ばれたんだ。救急車でそこに」
「へぇ…。」
「その時、治療してくれたのが旦那さん。過呼吸は大したことなかったんだけどね。初めてだったから、死ぬかと思った。で、旦那さんが私に一目惚れしたの。連絡先を聞かれてお付き合いして半年くらいで結婚しよう、って言われたからした。」
「言われたからしたって。結婚ってもっと盛り上がってするもんだと思ってた」
「盛り上がってるわよ。失礼ね。結婚式で花火だって打ち上げたんだから。」
「いや…なんか違う…。」
「何よ。違わない。」
泉水はしばらく私の顔をじっと見て、急ににやり、と笑った。
腰を少しだけ上げて移動すると、またぺたりと泉水に寄り添った。
あんたの飼い犬は私だよ。
「ごめん、聞いてもいい?」
泉水が聞いた。
「いいよ。なに?」
「どこで知り合ったの?そんな年上の人と。」
「ああ。旦那さんね、救命医療センターで働いてるの。ほらあるでしょ?市役所の近くに。私、19歳の時、駅で過呼吸になって運ばれたんだ。救急車でそこに」
「へぇ…。」
「その時、治療してくれたのが旦那さん。過呼吸は大したことなかったんだけどね。初めてだったから、死ぬかと思った。で、旦那さんが私に一目惚れしたの。連絡先を聞かれてお付き合いして半年くらいで結婚しよう、って言われたからした。」
「言われたからしたって。結婚ってもっと盛り上がってするもんだと思ってた」
「盛り上がってるわよ。失礼ね。結婚式で花火だって打ち上げたんだから。」
「いや…なんか違う…。」
「何よ。違わない。」
泉水はしばらく私の顔をじっと見て、急ににやり、と笑った。