ヒカリ
「お父さん、証券会社で働いてるって言ったでしょ?転勤族だったの。長くて三年、短くて一年。だから、友だちが出来てもすぐ離れ離れで。だんだん、友だちなんていらない、って思うようになって、気づいたら、友だちは一人もいない。」
私には友だちがいない。
ずっと前から。
私はひとりぼっちだ。
「結婚だって、どうでもよかった。うちの両親、仲悪かったから、愛し合って結婚するとかよくわからないんだもん。私にはやりたいことも夢中になれることも、将来の夢もなくて、ただ家を出れるなら結婚もいいかなって思った。私、本当はなんにもないんだもん。だから、友だちがほしいんの。」
泉水が私をずっと見ているのが分かった。
どんな顔をしてるかまでは見えないけれど。
「だから、泉水と友だちになりたかったの!!」
私には友だちがいない。
ずっと前から。
私はひとりぼっちだ。
「結婚だって、どうでもよかった。うちの両親、仲悪かったから、愛し合って結婚するとかよくわからないんだもん。私にはやりたいことも夢中になれることも、将来の夢もなくて、ただ家を出れるなら結婚もいいかなって思った。私、本当はなんにもないんだもん。だから、友だちがほしいんの。」
泉水が私をずっと見ているのが分かった。
どんな顔をしてるかまでは見えないけれど。
「だから、泉水と友だちになりたかったの!!」