ヒカリ
live
J.A.Mというライヴハウスはすぐ分かった。
分かった、というのは正しくない。
なんせ私は毎日のようにその前を気づかないで散歩していたのだから。
ライヴハウスっていうからどんなビルなのかと思っていたけど、普通の水色の細長いビルだった。
黒いボードにチケットと同じバンドの名前が手書きで書かれていた。
お客さんだろうか。男の人が何人か話ながら入っていく。
一人は髪が金髪だった。
ポケットの中のチケットを握りしめたまま、ライヴハウスの入り口を見つめていたら、スキニーパンツのポケットのスマホがブルブルと震えた。
泉水からだ。
「はい。」
『恵玲奈?今、どこ?』
泉水はなんだか賑やかな場所にいるらしい。
「J.A.Mの前。」
『お、待ってろ。行くわ。』
なんだか入りにくく、タイミングをつかみ損ねていた私は、本当にほっとした。
泣きそうなくらいに。
スマホを見ると、6時45分だった。
泉水はもう中にいるのだろう。
だから、ライヴハウスの入り口から出て来るかと思っていたけど、泉水は外階段から降りてきた。
分かった、というのは正しくない。
なんせ私は毎日のようにその前を気づかないで散歩していたのだから。
ライヴハウスっていうからどんなビルなのかと思っていたけど、普通の水色の細長いビルだった。
黒いボードにチケットと同じバンドの名前が手書きで書かれていた。
お客さんだろうか。男の人が何人か話ながら入っていく。
一人は髪が金髪だった。
ポケットの中のチケットを握りしめたまま、ライヴハウスの入り口を見つめていたら、スキニーパンツのポケットのスマホがブルブルと震えた。
泉水からだ。
「はい。」
『恵玲奈?今、どこ?』
泉水はなんだか賑やかな場所にいるらしい。
「J.A.Mの前。」
『お、待ってろ。行くわ。』
なんだか入りにくく、タイミングをつかみ損ねていた私は、本当にほっとした。
泣きそうなくらいに。
スマホを見ると、6時45分だった。
泉水はもう中にいるのだろう。
だから、ライヴハウスの入り口から出て来るかと思っていたけど、泉水は外階段から降りてきた。