ヒカリ
「キコンシャ?」

オーガスタスの他のメンバー三人が声を揃えて叫ぶ。
声揃うなんて仲いいな、とか思ってしまう。

「そう。だからダメ。」

泉水はビールを飲み干して、缶を片手でベコッとつぶす。

「まじかぁ…。」

輝真くんが呟いた。

「へぇ、結婚してるんだぁ。」

陶子ちゃんがなんの感情も感じられない言い方でそう言った。

「さ、恵玲奈、帰るぞ。」

泉水がパーカーを羽織り、さらにその上にマウンテンパーカーを羽織って立ち上がる。

「恵玲奈ちゃん。またライヴおいでね。」

ラリーくんがにっこりと笑いながら、手を振ってくれた。

みんなにお辞儀をして、泉水と部屋を出ようとすると、陶子ちゃんが泉水の腕を掴む。

「泉水、このあと打ち上げだからね。いつもの店。11時に予約入れてるから。」

泉水は、はいよと軽く答えて、扉を閉めた。


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