ヒカリ
aquarium
「恵玲奈!」
声がして振り返ると、泉水が走ってくるところだった。
ライヴから一週間が経っていた。
私と泉水は、駅前のよくわからないモニュメントの前で10時に待ち合わせをしていた。
「ごめん。乗り換えがうまくいかなくて。」
泉水は私の前に立つと、白い息を吐きながら、片手で拝む真似をする。
「いいよ。てか、遅れてないじゃん。」
駅前の時計台の針は10時ちょうどを指している。
「え?そう?」
首をひねって時計台を見てから、泉水はほんとだ、と呟いた。
「なんか、恵玲奈を待たせてる気がして。」
そう言って笑う泉水を見て思った。
どうしてわかったのだろう。
私が15分も前にここに着いて、泉水を勝手に待っていたこと。
声がして振り返ると、泉水が走ってくるところだった。
ライヴから一週間が経っていた。
私と泉水は、駅前のよくわからないモニュメントの前で10時に待ち合わせをしていた。
「ごめん。乗り換えがうまくいかなくて。」
泉水は私の前に立つと、白い息を吐きながら、片手で拝む真似をする。
「いいよ。てか、遅れてないじゃん。」
駅前の時計台の針は10時ちょうどを指している。
「え?そう?」
首をひねって時計台を見てから、泉水はほんとだ、と呟いた。
「なんか、恵玲奈を待たせてる気がして。」
そう言って笑う泉水を見て思った。
どうしてわかったのだろう。
私が15分も前にここに着いて、泉水を勝手に待っていたこと。