ヒカリ
泉水には店を出てすぐに電話をかけた。

1コールもしないうちに泉水は出た。

『恵玲奈?面接どうだった?』

あまりにも心配そうな泉水の声を聞いて、それまで緊張していた私の体から、ふっと力が抜けた。

同時にイタズラ心が芽生えた私は、笑いを堪えながら、悲しそうな声を出した。

「…落ちちゃった。」

『……』

泉水は何も答えない。口を押さえて笑い声をかみ殺す。

『恵玲奈…、今どこ?』

「え?公園のとこだけど?」

『すぐ行く。』

「えっ、ちょっ…」

待って…。


ツーツーツー、と繰り返す電話を持って立ち尽くす。
うわー、どうしよう。本気にしちゃった。
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