ヒカリ
泉水がハッとしたように腕を緩めた。

「あー、ごめん。」

泉水はそう言って、下を向く。
よく見ると、泉水は耳まで真っ赤だった。


「…泉水。ごめん。」

え?と泉水が顔をあげる。

「あの…あのね。さっきの嘘。」

「…はぁ?」

「ごめん。バイト受かった。」

「はぁぁぁ!?」


泉水は目をまん丸にして、大声をだした。


「ごめんって。」

思わず目を瞑って、小さくなる。

「恵玲奈ぁ!!」

泉水が私の両頬を思いきりつねった。
手加減なし、だ。

「い、いひゃい…」

涙目になりながら思う。
泉水と、いつまでもこうやって一緒にいれたらいいな。
けんかしたりしながらも、ずっと一緒にいたいな。

もし、この先泉水に彼女ができても、いつか誰かと結婚しても、友だちでいれたらいいな。

『好きになったらさようなら』だから。
絶対、好きにはならないからさ。

この距離でずっとそばにいれたらいいな。


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