ヒカリ
家に帰って、自分の部屋で音楽を聞いていると、ドアをノックする音がした。

「恵玲奈?起きてる?」

正人さんの声だ。
時計を見ると、深夜1時。

「おかえりなさい。」

ドアを開けると、コート姿の正人さんがいた。

「バイトの面接、どうだった?」

「受かったよ。明日から行くの。」

正人さんは、そう、と目を細める。

「がんばる。」

「うん。無理しないで。しんどかったら、すぐにやめるんだよ。」

はい、と返事すると、正人さんはもう一度、目を細めた。

「じゃあ、お休み。」

「お休みなさい。」

静かにドアがしまる。

正人さんには、面接を受けることは報告していた。
正人さんは賛成もしなかったけど、反対もしなかった。
恵玲奈がどうしてもやりたいならいいよ、と言っていた。


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