ヒカリ
しばらく見つめあったあと、質問の意味に気付いた私は思わず目を閉じた。
やっちゃった…。
手のひらをおでこにあてて、白い息をひとつ吐いた。

男の人のくすくすという笑う声が小さく聞こえてくる。


「あぁ、犬?犬の名前?あーっと、そうよね。そう。犬ね。チャーリー。…グッド・ラック・チャーリー。オス。」

「グッド・ラック…?」

「チャーリー」

「グッド・ラック・チャーリーっていうの?こいつ。」

「そう。呼び名はチャーリー。」

「チャーリーね。おーい、チャーリー。」

男の人に首の後ろをポリポリとかいてもらいながら、名前を呼ばれたチャーリーは嬉しさのあまり、ヨダレを垂らしている。

「で、そっちがえれな、ね。」

もう一度、くすくすと意地悪に笑って男の人はそう付け足した。


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