ヒカリ
sirius
泉水と雪を見に行くのは、二月に入ってからになった。
泉水と私の予定が合わなかったのだ。
こないだまで、私は毎日暇だったのに、バイトを始めてからは、割りと忙しい。
「もう一人のパートさんがやめちゃったの。だから、最近は毎日バイト入ってるの。」
バイトが終わるころ、お店に来てくれた泉水と公園のベンチでみたらし団子をはんぶんこしていた。
夕方の公園には、ちらほらと親子連れがいて、「もう帰るよ。」「いやだ、まだ遊ぶ!!」という会話があちこちから聞こえる。
「恵玲奈、なんか様になってきた。」
「ほんとに?」
思わず顔を見上げて私は吹き出した。
「泉水、口の回り、たれついてるよ。」
こどもみたい。
泉水はどうしたらそうなるのかわからないけど、ほっぺたにもたれをつけている。
泉水は笑いが止まらない私をチラッと見て、吹き出した。
「恵玲奈もついてるけど。」
「うそ。どこ?」
ほっぺたを手のひらでこすっていたら、まだたれをつけたままの泉水は、笑いが止まらない様子で背中を揺らして笑っている。
「みたらし団子食べてるとさ、俺は絶対つくんだよ。食べ方が下手くそなんだと思ってた。でも、恵玲奈もついてるし、ここ。」
ようやく笑いが止まったのか、泉水は顔をあげて、私の頬を指先でこすった。
それから、自分の頬をごしごしとこすって、「取れた?」と聞く。
たれは取れていた。きれいに。
だけど、私は手を伸ばして、泉水の頬に触れた。
泉水の頬は、あったかくてこどもみたいにつるつるしている。
泉水と私の予定が合わなかったのだ。
こないだまで、私は毎日暇だったのに、バイトを始めてからは、割りと忙しい。
「もう一人のパートさんがやめちゃったの。だから、最近は毎日バイト入ってるの。」
バイトが終わるころ、お店に来てくれた泉水と公園のベンチでみたらし団子をはんぶんこしていた。
夕方の公園には、ちらほらと親子連れがいて、「もう帰るよ。」「いやだ、まだ遊ぶ!!」という会話があちこちから聞こえる。
「恵玲奈、なんか様になってきた。」
「ほんとに?」
思わず顔を見上げて私は吹き出した。
「泉水、口の回り、たれついてるよ。」
こどもみたい。
泉水はどうしたらそうなるのかわからないけど、ほっぺたにもたれをつけている。
泉水は笑いが止まらない私をチラッと見て、吹き出した。
「恵玲奈もついてるけど。」
「うそ。どこ?」
ほっぺたを手のひらでこすっていたら、まだたれをつけたままの泉水は、笑いが止まらない様子で背中を揺らして笑っている。
「みたらし団子食べてるとさ、俺は絶対つくんだよ。食べ方が下手くそなんだと思ってた。でも、恵玲奈もついてるし、ここ。」
ようやく笑いが止まったのか、泉水は顔をあげて、私の頬を指先でこすった。
それから、自分の頬をごしごしとこすって、「取れた?」と聞く。
たれは取れていた。きれいに。
だけど、私は手を伸ばして、泉水の頬に触れた。
泉水の頬は、あったかくてこどもみたいにつるつるしている。