男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「俺の名は・・・」
レオさまに、もう一度名前を名乗ろうとしたその時。
突如、突風が吹き荒れる。
ただの、突風ではない。
ただならぬ空気を感じる。
「な・・・に・・・」
恐怖に、足が震える。
「レッドアイを持つ王子・・・今日こそその命、いただく!」
低くくぐもった声。
顔をあげたその先。
そこに見えたのは。
この世のものとは思えない、化け物の姿。
口は狼のようにとがっていて。
身体は真っ黒な毛むくじゃら。
背中には蝙蝠のような羽が生えている。