男装騎士~あなたの笑顔護ります~
私は体をグルンと回し、力を受け流す。
魔物は勢いのまま体を回転させ地面に叩きつけられた。
私は、咄嗟にレオさまの手を掴み走り出す。
どうにかレオさまだけでも安全な場所に。
城の中に逃げ込めば、きっと誰かはいるはずだ。
それが、王付きの誰かだとしても、さすがに助けてくれるんじゃないか。
「レオさま!走って!」
しかし、予想以上に悪魔の立ち上がりが早く、逃げきれない。
私は再びレオさまと魔物の間に立ち魔物と立ち向かう。
「よくも!貴様もろとも殺してやる!」
「やれるもんなら、やって見なさいよ!」
よくそんなことが言えるもんだと。
こんなにも体は震えているのに。
恐怖で、剣を持つ手が定まらないのに。
助けて。
心の中では、ずっと誰かに助けを求めてる。