男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「怖かった?ごめんね、気づいてあげられなくて」
「・・・フラン」
「魔物との戦い初めてだったんだもんね。怖かったよね」
優しい声に、私の心は緊張の糸は解かれ。
ポロポロと溢れだした涙。
それを隠すように、濡れタオルを目に押し付ける。
「・・・っごめ・・・すぐ、泣き止むから・・・。ちゃんと、男になるから・・・」
悔しい。
つくづく弱いのだと痛感させられる。
私が強くいられるのは、試合という守られた場所でだけなんだ。
命を懸けた、いわば戦のような場所では通用しない。
そんな私を、どうしてグレンは選んだんだろう。
止まらない涙。
フランは、なにも言わずただひたすらに私が泣きやむのを待ってくれた。