男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「魔物を倒し、気を緩めてレオさまの前で気を失うとはどういう事ですか」
私は、様子を見に来たグレンに叱られていた。
「レオさまをお守りしたことは、褒めるに値しますが、気を失ってレオさまの手を煩わせるとは・・・まったく」
「ごめんなさい・・・」
「もう少し、自覚を持ってください。レオさまとあなたは天と地ほど違うのですよ」
厳しい言葉に、シュンと縮こまっていく身体。
私だって頑張ったのに、酷い。
頑張ったし。
怖かったのに。
「グレン、言いすぎだ。初めてで、一人で魔物を倒したんだ。充分だろ」
「いいえ、こういう事はきっちりしておかなければ。これから先、同じようなことがあればいけませんので」
グレンは、ノアのフォローもまったく聞いてくれず、眉間のしわを緩めてくれることはなかった。
「なによ!グレンがレオさまをちゃんと見てなかったのがいけないんじゃん!」
「そ、それは・・・。それは確かに私のミスですですが、今はそれとは別の話です」
「一緒よ!グレンがちゃんと見てたら、私が魔物と戦うことだってなかったのに!」