男装騎士~あなたの笑顔護ります~
あんな思いも、することなんてなかった。
「ならば、やめますか?」
「グレン!」
「そんな、泣き言ばかりのあなたなど、役に立ちませんから」
きっぱりと言い捨てるグレン。
なによ。
あんたがここに連れて来たんじゃない。
姑息な手を使って。
「あなたはもう少しやれる人だと思ってしましたが、私の買いかぶりすぎだったようですし」
「もうやめろって、グレン!」
「やめるのなら、今すぐこの城から出て行ってください」
冷たい言葉が突き刺さる。
なによ。
なによ。
私だって、好きでここに来たわけじゃない。
それでも、引き受けてしまったからには頑張らないとって。
そう思って頑張ってきたつもりだったのに。
グレンは、その私の気持ちも無視するんだ。
私なんて、いらないんだ。