男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「よく、考えてください」
グレンはそう言うと部屋を出て行ってしまう。
残されたノアは、困惑の表情を浮かべている。
「ユキ、気にするな。グレンだって、本心じゃないんだ」
「・・・本心だよ」
「ユキ・・・。グレンは、レオさまの事となると周りが見えなくなるからな・・・」
レオさまのため。
レオさまのため。
そのグレンの気持ちだって、レオさまには届いてないじゃない。
グレンがいくらレオさまのために強い騎士を集めたって。
守られるレオさまは、それを必要としていない。
生きることを諦めて。
魔物に殺されてもいいって思ってる。
そんな人を、ノアは、フランは、守っていかなければいけないんだよ。
自分を大切にしていない人の事を自分の命をかけてまで。
そのこと自体が、間違ってるんだ。
もういい。
必要ないというのなら。
望み通り、ここからいなくなってやる。