男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「怪我は、ないですか?」
「ああ。大事ない」
「そうですか・・・。よかった」
グレンにも、フランたちにもそう聞いてはいたけど。
ちゃんと自分の目で確かめないとホッとできなかった。
でも、今目の前にいるレオさまはケガをしている様子はないし。
本当に、平気そうだ。
「それが、聞きたかっただけなので、失礼します」
私はそう言って一度頭を下げると踵を返す。
少し扉まで歩いた後立ち止まる。
「レオさま。一つだけ、いいですか?」
「なんだ」
「レオさまは、生きることを諦めてますよね?」
こんな事言って、グレンが聞いていたらきっと目の色を変えて怒るだろうけど。
最後だもん。
なにを言っても別にいいよね。
「レッドアイを持って生まれ、周りには期待の目で見られ。それでも王様にはそのことで疎まれ。自分は望んでこうなっているわけじゃないのに・・・」
レッドアイなんて、もって生まれてこなければよかった。
誰を、恨めばいいんだろう。
この気持ちをぶつける相手もいなくて。