男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「とにかく、余計なことはせず、レオさまの護衛だけをすればいいんですからね」
「はあい」
「わかってますか?あなたほどの騎士が王子の自室にいられるということは、本当に異例なんですよ!」
「わかってるって」
口うるさいグレンにうんざりする。
心配してるのはわかるんだけど、いい加減聞き飽きた。
すごいことなのは重々承知だし。
「なら、レオさまをお待たせしてはなりません。さっさと行きなさい。荷物など、なにもないでしょう」
「・・・あのねえ」
そりゃあ、ないけど。
「それから、これはあなたのものです。持っていなさい」
グレンに渡された、通信機と私の剣。
またこれを持つことになるなんて。
「これは、魔物を斬るための剣ではありません。レオさまの命を護るための剣です」
「護るための剣・・・」
「そう思えば、少しは気持ちが楽になるでしょう」
気休めかもしれないけれど。
私は、小さく頷いてその剣を取った。