男装騎士~あなたの笑顔護ります~



「戻りました」



レオとグレンが戻り、私たちは再び馬と馬車に乗り込む。
動き出した馬車の中、レオは心なしか落ちている気がした。



「外交・・・うまくいかなかったの?」

「ユキ!無闇にレオさまに話しかけない!」

「もう、煩いなぁ」




また始まりそうになるグレンの小言。





「うまくいくはずがないのだ」




それでも、レオの言葉によってそれは遮られた。
うまくいくはずがない。
レオはそう言う。




「なんで?」

「この国、シリア王国の王、ゼル王は俺ではなく王にお怒りなのだ。だからいくら俺が足を運んだところでその怒りは収まることはない」

「そんな!だったら、レオじゃなくて王様が行くべきじゃない!」





どうしてそんな無意味なことをしているの。





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