男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「王は、頭を下げるのが嫌いな人だ。そもそも外交というものを好まんからな。だから、俺を向かわせているのだ」
「レオは、それでいいのか?」
「俺の気持ちなど、関係ない」
レオは、別に死んでもいいと思ってる。
でも、王に頼まれた仕事は嫌がらずにするんだ。
まるで、それが使命とでもいうように。
なんでだろう。
全てがどうでもいいのなら、そんな仕事だって放棄してしまえばいいのに。
「俺は疲れた。少し黙っていろ」
「わかった。ごめん」
すっと向こうを向いてしまったレオに、これ以上なにを聞いてもダメだと察する。
私はおとなしく黙って前を向いた。
前ではグレンが苦々しい顔をして座っている。
なんだか、皆変だ。
なんでこんなに、息苦しいの?